旬を取り入れた料理と風味を最大限に生かした蕎麦の数々。
樹齢2000年の香杉のカウンターが至福の時を刻みます。

橙は、一本の木に数年代の実がついている特徴から「代々栄える」縁起の良い果物とされています。美食の街銀座で代々続く、末長く愛される店、という願いを込めて、「蕎麦割烹 橙」は生まれました。

「橙」誕生ストーリー

蕎麦は寿司、天ぷらと並ぶ日本の三大人気和食の一つです。中でも最も庶民的な蕎麦は、最も質素な味わいを持ち、それゆえに「禅」の求道にも通じる最も哲学的な食べ物として数多くの「通人」を有するジャンル。

その多くの通人たちに「日本一の蕎麦打ちの名人」と崇められるのが「翁 達磨」の高橋邦弘氏(79)です。高橋氏は2008年、洞爺湖ウィンザーホテルで開催された第34回 G8サミットでアメリカ・ブッシュ大統領 やドイツ・メルケル首相ら首脳陣に手ずから蕎麦を振る舞った名匠です。

その高橋氏に、高校三年生の時に生徒手帳を身分証がわりに弟子にしてくれと直談判したのがこの「橙」店主森大和の30年前の姿でした。高校卒業後に師の元で4年の修行を重ね、以後、東京、埼玉の名店で蕎麦一筋に腕を磨いてきました。高橋師との繋がりは今でも強く長く、師のイベントがあると聞けば馳せ参じ、共に蕎麦を打ちます。今でも師匠と共に蕎麦を打つ時間は、初心に帰る貴重な時間だと森は言います。 
「蕎麦打ちは毎日、一玉一玉違う。シンプルだけど難しい、だからこそやりがいがある」──蕎麦への探究心が日々の原動力という、根っからの蕎麦職人です。

そんな森の蕎麦の香り、風味、腰、なめらかさ、喉越しの良さに、鉄人シェフ脇屋友詞が惚れ込みました。

無類の蕎麦好きである脇屋は、東京はもちろん出張先でも蕎麦屋を訪ね歩くほど。料理人であり、グルマンでもある脇屋は長年、ひそかに「自分の蕎麦屋」を夢見ていました。おいしいお酒とともに洗練された割烹料理を味わい、さらには自分好みの蕎麦で〆る。そんな至福とも言えるような和食店を、自身だけでなくお客さまにも楽しんでもらえたら──そこで2023年12月、銀座に新たに建てた自身の「GINZA 脇屋」ビルの1フロアに、この森大和を「蕎麦割烹 橙」の店主として招き入れたのです。

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